リグとの接続例



(zLog令和版 の基本的な使い方は、令和版マニュアルを参照してください。)

ここではzLog令和版のリグとの接続(連携)機能を利用して 八重洲 FT-991(A) に接続する場合を例にとり説明します。(USB接続に対応する他の八重洲のリグやインターフェース SCU-17 でも基本的に同じです。)

1. USB 端子とPCとの接続

  FT-991, FT-991A にはUSB端子があります。PCとUSB接続ケーブルを介して接続し、八重洲が提供している仮想COMポートドライバをインストールすると、PCにはCOMポートが2つ増設されます。ほかにCOMポートの増設がなければ、COM3, COM4 が増設されます。増設の状況は、Windows の「デバイスマネージャ」で調べることができます。リグとPCをケーブルで接続し、リグが"ON" か "待機" になっている状態で確かめてください。

デバイスマネージャの表示の例


仮想COMポートドライバのインストールマニュアル (八重洲のサポートページを参照) に書かれている通り、増設された COMポートはそれぞれ、
・Enhanced COM Port: CAT 通信(トランシーバーの周波数や通信モードなどの設定や制御)
・Standard COM Port:  TX 制御(PTT、CW キーイング、FSK 制御)
に対応していますので、増設された COMポートの番号を控えて、zLog の設定値に用います。
(上の例では、Enhanced が COM3, Standard が COM4 になっています。以下はこの値で説明
します。)

また、USBを経由したオーディオ入出力も追加されます。PC内蔵のオーディオ(サウンド)に加えて、USB Audio CODEC (スピーカ、マイク) が増設されていることもあわせて確認してください。

2. zLog令和版の設定

zLog 令和版マニュアルに従って、"Options"  ウインドウを開き、"Hardware" タブをクリックして開きます。
・Rig1 か Rig2 に Enhanced COM Port の COM番号 (上記の例では COM3)を設定し、COM
ポートの速度は 38400bps を選ぶと良いでしょう。(数値は下記のリグの設定と合わせます。)
・CW/PTT Port に Standard COM Port の COM番号 (上記の例では COM4) を指定します。

3. リグ側の設定

リグ側では、COM3に対応する通信速度(bps)の設定と、CWキーイングに関する信号の設定を行います。
・FT-991(A) では、「MENU」ボタンを押し、サブダイヤルを回して設定項目を選択し、適切な
 値を設定します。

FT-991A の場合の項目と設定値の例

No. 項目 役割
031 CAT RATE 38400 COM3 の bps
060 PC KEYING DTS キーイング信号
071 DATA PTT SELECT RTS PTT制御信号
072 DATA PORT SELECT USB USB でDATAを送る
076 FM PKT PTT SELECT RTS PTT制御信号
106 SSB MIC SELECT MIC 音声入力
108 SSB PTT SELECT RTS PTT制御信号
109 SSB PORT SELECT USB USB で音声を送る

注1 FT-991(A) では、CWモードではUSB等からのPTT制御はできない。
     セミブレークインのディレイなどはリグ自体の設定で行う。)
注2 FT-991(A) では、SSBモードにおいてUSB端子からPTT制御を行う
   (No.108)と、No.106 で MICを選んでいても、No.109 で選択した
   USB経由のオーディオ入力のみ有効となり、マイクからの入力は
   OFFとなる。したがって、フロントパネルのマイク端子に接続した
   ヘッドセットなどを使用する際にPTTを zLog から制御することは
   困難で、マイク側のPTTボタンを用いる必要がある。

※ zLog 令和版では、Ver.2.5 においてボイスメモリ(音声CQマシーン)機能が実装されています。ただし、音声出力は Windows 側で設定されている 「既定のデバイス」 に出力されますので、システム音などがリグへ流れないよう、設定を工夫する必要があります。

※ zLog オリジナル(平成)版 では、リグコントロールの仮想COMポートは指定可能ですが、最新の機種のコマンドに対応していないため、FT-991ではうまく動きません。また、CWキーイングに任意の仮想COMポートを指定することができないため、リグ内蔵の仮想COMポートは使用できません。