zLog 開発の歴史
zLogは1992年の春、東京大学アマチュア無線クラブ(JA1ZLO/YWX)内のプロジェクトとして、当時のクラブメンバーであった横林洋平氏により開発が始められました。当時日本では最もポピュラーだったPC9800シリーズ用に、主として国内コンテスト向けのコンテストログを目指しました。同年の ALL JA コンテストにて初めて実戦使用するとともに、当時のパソコン通信サービスを通じ、フリーソフトウェアとして一般にも公開しました。数年後にはPC/AT互換機 (DOS/V) にも対応したほか、DXコンテスト用にCCCシリーズも開発し、多くのユーザーの支持を頂きました。
1998年にはWindows版コンテストログ zLog for Windowsを発表し、ユーザーの意見を取り入れながら開発が続けられました。オリジナル版の最新バージョンは、2004年11月にリリースされたver 2.2eとなっており、以後もサポートプログラムの開発継続やコンテスト定義ファイルの更新が続けられていましたが、サポートメンバーの現役引退や本業の多忙等により、長年にわたり開発が止まることとなりました。しかし、熱心なユーザーによる第三者サポート等がインターネットを通じて続けられ、名だたるコンテスターが使用を継続し、実績が残されてきました。
2019年、JARLコンテスト委員会からの要請により、zLog for Windows のソースコードが GitHub を通じて公開されることになりました。公開されてしばらくは、多くのユーザーがトライアンドエラーを繰り返しながら現代のプラットホームにおけるビルドを目指したようです。その後、JR8PPG 氏により Delphi コードの修正・改良が施され、Windows10で動くバイナリのビルドに成功し、2020年春にはオリジナルソースツリーからの派生版として GitHub に公開されました。このビルドは "zLog 令和版" と呼ばれ、さらなる改良が進められています。また、それをベースとした改造版が JA1ZLO/YWX 開発班のメンバーにより開発され、"ZyLO"として同じくGitHub より公開されました。その後 ZyLO は zLog令和版に統合され、プラグインによる機能拡張など、zLog令和版の一部としてzLogの発展に貢献しています。
zLog 令和版の開発では、当初の主要なバグ取りはほぼ終わり、現在は主に機能拡張と改善の取り組みが進められています。2024年8月には、zLog 令和版の進化を紹介するため「ハムフェア2024」に出展しました。
(2024.9.21 更新)